園バスへの置き去り・子どもたちの命を守るためのアイデア|保育システムNavi

園バスへの置き去り・子どもたちの命を守るためのアイデア

2023.9.16 保育お役立ちコラム

2022年9月5日、静岡県のある幼稚園で、3歳の女児が通園バスに5時間も取り残され、熱中症で亡くなるという悲劇が発生しました。
あれから約1年。
政府は急遽対策の一環として、バスに安全装置の設置を義務化し、6月30日までの設置が推奨されましたが、こども家庭庁の調査によれば、未だに設置率は低いままです。

園バスへの置き去りの原因

静岡の事件は同様の事件が福岡であった後、1年足らずで発生しました。この痛ましい事件では以下の4つの確認が怠られた結果、3歳の命が奪われたのです。

・乗り降りする際の人数確認
・複数の人による車内の点検
・出欠情報の確認
・園児がいない時の保護者への連絡

園長先生が運転手を務める日が普段は少なかったため、園児の降車に慣れていなかったという背景もありますが、保育士が出欠情報を確認し、保護者に通知していれば、最悪の事態を防ぐことができた可能性が高いでしょう。
安全確保には常に慎重な対応が必要です。

子どもたちの命を守るためのアイデア

この事件のあと、さまざまなICTシステムの開発企業から安全装置のシステムが公開されました。
また、民間でも開発され、保護者目線からのアイデアも提供されました。

ブザーシステム

保護者有志が開発したブザーシステムは、ニュースで話題になりました。
バスのエンジンを切るとブザーが鳴り、バス後方のスイッチを押さなければブザーを止められない仕組みです。
これにより、運転手は自然とバス後方を確認することが求められます。

QRコードシステム

別のアプローチとして、運転手がバス内後方に設置されたQRコードを読み取るシステムがあります。
QRコードを読み取ると、その情報が保育施設内のパソコンやタブレットに送信され、車内確認が完了したことがわかります。
もし運転手が確認を忘れた場合、施設側から連絡が入るため、確認漏れを防ぐ役立つ仕組みです。
また、園児の名札にもQRコードを設置し、それを読み取ることで乗降人数の確認ができ、施設側と保護者にも情報が共有されます。

保護者のアイディア

お子さん自身に身を守る術を伝える保護者の声がSNSで話題になりました。
本来であれば鳴らしてはいけないと教えるクラクションを誰かが気づいてくれるまで鳴らすというものです。
お子さんの力ではクラクションをならすのは難しいもの。
それをお子さんが持っているであろうカバンや水筒をクラクションの上に置き、体重をかけて押したり、手ではなく、ハンドルに腰掛けるようにのっておしりで押すという、思いつきそうで思いつかないアイデアです。

命にかかわる状況では、人為的なミスを最小限に抑えることが非常に重要です。
ICTシステムやさまざまなアイデアを活用して、命を守るための新たなアプローチを採用することは、保育士としても考えるべきことでしょう。

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