保育ICT化で保育士さんが感じていること
パソコンやタブレット端末を使った保育施設の業務を支援するシステム「ICT」。
Information and Communication Technology(情報通信技術)の略で、保育システムだけではなく学校や職場など幅広く扱われている技術です。
保育園に導入されていると、今まで保育士の保育時間を圧迫していた事務作業や電話対応、登降園管理や保育士同士・保護者との連絡共有といった負担が軽減され、より子どもたちと向かい合う時間が増えるというメリットが生まれます。
そんな保育システムが注目されている理由と現状についてご紹介しましょう。
保育ICT化が注目されている理由
保育のICT化は政府が強く推進しています。特に慢性的に人材不足の保育士が離職する原因を軽減できると考えているからです。
そのため厚生労働省が平成27年に「保育所等における業務効率化推進事業」を新設。
さらに平成29年からは「保育施設・事業の届出に伴うICT化推進事業」が新たに予算に組み込まれました。
これによりICTシステムを導入した園には自治体によっては一定額の補助金が給付されることになっています。
そこからICTシステムの開発競争が始まり、保育施設の導入も自治体が進んで行うようになり、関心が高まっているのです。
ICT化と保育現場の状況
現在園に保育支援システムを導入し、ICT化を図った園に在職している保育士は職場環境の変化をどう感じているでしょうか。
良くなった点
- 手作業での書類作成や紙の整理が無くなった。コピペや判例分で書類が作りやすくなり、修正も楽になった。
- 保育士などスタッフ間や保護者との情報共有や連絡連携がとりやすくなった。水掛け論のトラブルがなくなった。
- 情報管理のフォーマットが一律になりわかりやすくなった。年度末の引き継ぎや新人研修がシステム化されて迅速・正確にできるようになった。
不便に感じている点
- PCの扱いやタブレットの操作に手間取るため覚えることが慣れるまで大変。困った時にわかる人が少ない。
- 閲覧や入力可能な端末が少ないため、空き時間にすぐに作業ができるかというとそうでもない。
- 一部の保育士や保護者がスマホやアプリを使いこなせないので逆に手間取る時がある。
導入後は不便なこともありますが、慣れると便利という声が聞かれ、ICT化を進めた多くの保育施設では以前よりも作業効率がよくなったと感じています。
マニュアルなどを確認しなくても使いやすく作られているシステムがほとんどですし、システムによってはカスタマイズも可能ですが苦手意識からか不便を感じている方もいるといった状況です。
慣れてしまえば作業効率は上がりますし、保育の質をあげたり、人間関係を円滑にしたりする効果もきたいできるので、お勤めの園で導入を提案したり、転職の際に導入している園を見学に行ってみたりしてはいかがでしょうか。