なぜ保育士は新天地を求めるのか|保育システムNavi

なぜ保育士は新天地を求めるのか

2018.12.7 保育お役立ちコラム
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保育士が不満を訴えることを、現場を知らない人は真っ先に低賃金を理由として考えています。
しかし、多くの保育士はもともと保育士という仕事が低賃金であることは承知の上で保育の道を選んでいるのです。
ではなぜ保育士は新天地を求めて転職をするのでしょうか?

■ベテラン保育士が拒む変化

保育士の負担軽減のために政府が進めるICT化。
無料で配布される保育システムや補助金が付与される保育システムもあるのに、一部でしか導入が進まないので、手書きの書類などに対する負担は一向に減らず、保育士の負担と不満は溜まるばかり。
デジタルに弱い年配の園長先生やベテラン保育士がタブレット端末やパソコン、スマホを怖がり、それに伴って多くの保育士が導入を拒んでいることが背景にあるのです。

■「大変なこと」を美徳としてしまう

保育業界全体が「大変なこと」を美徳としてしまう傾向があります。
「大変」「辛い」と言いながらも、またほとんどの保育士が「保育士」として転職してしまうのは、「仕方がない」「どうにもならない」とどこかで考えているからです。
ICT化を拒んでいる保育園の研修は、ベテラン保育士や母体となる経営者の「自分たちのやり方」「これまでのノウハウを活かした合理的な保育」を新人や実習生に強要します。保育士の転職理由の大きな原因として「人間関係」が挙げられますが、この人間関係を壊すことを恐れ、若い人材の「やり方を変えよう」という芽を潰してしまうのです。

■保育士が求めるのは負担軽減

保育園のICT化を進めている保育園は、新しいやり方に慣れるために人間関係をフラットにしている風通しのよい職場環境を整えています。
若い人材が子どもたちや保護者への対応をベテラン保育士から指導し、書類作成や保護者とコミュニケーションを取るための負担軽減につながるICT化を若い人材がベテラン保育士をサポートすることによってバランスをとっているのです。
賃金が上がっても目の前の負担が軽減されなければ保育士は新天地を求めて転職してしまいます。
大きくやり方を変えるにはいくらかの「一定期間」慣れるために「負担が増える」ことは「仕方ない」と考えましょう。
一定期間が過ぎれば、保育の質が高くなり、保護者と子どもたちの信頼を得られ、保育士が長く定着してくれる保育施設に変わります。

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