泣く子はなぜ泣いているのか見極める|保育システムNavi

泣く子はなぜ泣いているのか見極める

2020.5.1 保育お役立ちコラム
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4月は新入園児の泣き声であふれる保育園。
日を重ねるごとに落ち着きを取り戻してきたのもつかの間、大型連休がやってきました。
毎年大型連休が終わった後も泣き続けている子がいますね。
なぜ泣いているのか見極め、保護者への対応にも活かしましょう。

泣いている子の事情を考える

お母さんがいないから泣いてしまう子どもたち。
しかし、「お母さんがいない」という同じ事情でも子どもたちの一人ひとりに違った思いがあるのです。
●生活リズムが乱れている
早番にかかる子にずっと泣いている、という子は少ないものです。
保護者は毎日同じ早い時間に園に来るため、朝早く子どもを起こします。
保護者自身が遅刻してしまうため、ある程度朝のルーティーンも決まっており、登園までの準備も流れるように進むのです。
家庭でも毎朝同じ動きで支度するため、子どもの情緒を安定させます。
逆に、時間にゆとりのある家庭では、起きる時間がまちまちだったり、家を出るまでに子どものわがままに振り回されていることも。
わがままが通ってしまうため、「もっと寝ていたかった」「もっとテレビが見たかった」など気持ちが揺れるのです。
生活リズムを整えることを保護者に提案してみましょう。

●保護者が楽しそうに出社しない
登園したあと、出社する保護者の表情を観察しましょう。
不安が顔に出ていませんか。
別れ際のお母さんの表情を子どもたちはよく見ています。
「泣いていてかわいそう」などお母さんが不安な顔をしていると、子どもは不安をそのまま受け取ります。
そのままお母さんがいなくなったら、残された不安が消えないまま泣くしかないのです。
対処法としては、まず保護者の不安な気持ちに寄り添いましょう。
「預けるの不安ですね」「泣いているとかわいそうになりますよね」とお母さんの不安を受け止めます。
それから、「ご飯もおやつもしっかり食べていますよ」「音楽をかけるとリズムにのって手をたたいていますよ」
など、具体的に例をあげて「安心して園に預けてください」と安心できる言葉をかけていきましょう。
そこで「笑顔でバイバイしましょう」と提案します。
お母さんが笑顔でバイバイしてくれると、子どもたちも安心するということを伝えるのです。
保護者の性格にもよりますが、握手したりハイタッチしたりノリノリで送り出すのもおすすめ。
楽しそうにお母さんがバイバイしていくのを子どもたちは見ています。

保育士のメンタルを考える

ベテランの保育士さんもさまざまな解決策を施しても子どもが泣き止まないという日々を送ることがあります。
こういった場合、メンタルをやられる保育士も出てくるので、保育士の不安が子どもたちに伝わって余計に泣き止まない場合も出てきます。
●泣くことにとらわれない
泣く子の担当になると、重い気持ちで登園する保育士もいます。
「今日も泣くかな」と不安にならず「泣くこと」を前提に考え方を変えましょう。
泣いている子を観察して、泣きながらやっていることに注目します。
泣きながらもぬいぐるみを抱っこしたり、泣きながらも絵本を見れたりしているのではないでしょうか。
泣いていたっていい、少しずつでも変化していればそれが成長です。
抱っこしても泣き止まず、保育士の方が耳鳴りがして泣きたくなるような時期もあります。
いつかは泣いた日が笑える日に変わるのです。
卒園式の日に「赤ちゃんの時はずっと泣いてたね」ってお話しするつもりで、この子の未来を見ましょう。
保護者もがんばりは見てくれているものです。

●チームワークで乗り切る
どうしても気持ちの切替ができなかったり、耳鳴りがして精神的にも肉体的にもまいってしまったときには周囲に助けてもらいましょう。
主任保育士やその時に手の空いている保育士に時々変わってもらえるように体制を整えるのです。
着替えやご飯は自分でみても、抱っこで園内散歩に行ってもらうだけで気持ちが楽になります。
もちろんずっと預けるのでは泣く、保育士はもちろん子どもの気分転換のためにお願いしましょう。
子どもや保護者との信頼関係は担当保育士と結びたいものですが、保育園はチームワークです。
担当保育士がひとりで泣く子を抱え込む必要はありません。
時には助けてもらうなど、いろいろ試してみてください。

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