配置基準見直しを早急に求める現場の声|保育システムNavi

配置基準見直しを早急に求める現場の声

2023.6.23 保育お役立ちコラム

前年度末、「異次元の少子化対策」に対してたくさんの保育士がその配置基準に対する見直しについて期待をしていました。
しかし、蓋を開けてみると制度事態は変わらず、補助金配布で運営側の方針次第ということに。
こちらでは不満があふれる保育現場の声をご紹介しましょう。

待遇改善と保育の質向上の期待は裏切られ

上記の通り、政府が3月末に発表した「異次元の少子化対策」のたたき台に盛り込まれたのは、人手を増やすための運営費の加算だけで、基準自体の見直しは先送りされました。
配置基準の見直しに期待が寄せられていたとは言え、配置基準を変えてしまうと保育士自体がいない現状では立ち行かない保育施設があるという問題はあります。
しかし、子どもたちの命を守りつつ、その個性を大切にした健やかな成長を促す質の高い保育を行うのは現実的な話ではありません。
保育現場で働く保育士はもちろん施設長からも不満がでるのは仕方ないことでしょう。

0歳児保育は戦場

0歳児の保育においては、食事や着替えなど、すべての行動に介助が必要であり、待つことができません。
食事の場合、配膳前に食事内容を確認し、その間におむつを替えたりエプロンや口拭きの準備をしたりします。
子どもたちを1人ずつ椅子に座らせ、手を拭き、エプロンを付けます。
子どもたちは待てずに泣いたり催促したりする中、保育士は給食室からワゴンを運び、1人ずつ食器を外して提供します。
その前に食後のミルクを準備し、寝床を整える必要もあります。
食後にはミルクの提供やおむつ替え、着替え、寝かしつけも行います。
また、子どもたちがまとまって寝付かないことが多く、5分おきのブレスチェックも行い、掃除や玩具の拭き取りも行います。
保育士にとっては非常に過酷な状況であり、まさに「戦場」と形容されるのです。
その状況にあり、配置基準の見直しが見送られたことは、0歳児保育を担当している保育士は憤懣やる方ないでしょう。

保育現場の不満の声

●40代保育士
保育士の配置基準はギリギリで、質の高い保育が難しい。
日々さまざまな保育士が入れ替わり保育を行う中で、けがの予防に精いっぱいであり、自主性や自己肯定感の育成とは程遠いです。

●50代園長
0歳の子に対して保育士1人で3人、1歳の子に対して保育士1人で6人。
本当にこれだけの人数で安全かつ充実した保育が提供できるのでしょうか?
家庭保育ではこの人数を確保し、安全かつ豊かな保育を行うことは可能ですか?
この限界的な配置基準が、有資格であっても保育の仕事に就かない潜在的な保育士の増加に繋がっていると考えます。

●40代保育士
キャリアップ研修で、保育における「一人ひとりの安心と安全」について学んだものの、現実と理想のギャップがあまりにもひどすぎます。
多様化する保育ニーズの中で、子どもとの接し方や関わり方を理解していても、日々の過密な状況の中では余裕を持って対応することが難しいです。

●30代保育士
保護者や子どもへの優遇策を導入する前に、保育園の配置人数や保育士の処遇を改善する必要があると思います。
政策を策定する人たちは、現場での実習を1週間行ってみてはいかがでしょうか。
実習を通じて、現在の配置人数がどれほど大変な状況であり、保育士たちがいかに犠牲を払っているかを実感することができるはずです。

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