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統合保育とは

2020.12.25 保育お役立ちコラム
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障がいのある子どもとそうでない子どもを一緒に保育する体制・統合保育。
障がい者に対する社会の柔軟な受け入れや理解の深まりから、保育にも導入されています。
こちらでは統合保育とそのメリット、デメリットについてご紹介しましょう。

統合保育とは

療育手帳を保有している子どもに対する保育を「障がい児保育」、その障がい児保育を行う子どもと健常者である子どもを一緒に保育する体制が統合保育といいます。
区別をつけたうえで会えて一緒に活動を行います。
障がいをもつ子どもは養護学校に通うという認識から、社会的な考えが改められ、保育にも導入され始めているのです。
障がいがない子にとっても大きな意義をもつ統合保育。

統合保育の今

統合保育を実践している園は増加傾向にあるといえます。
しかし、その現状は厳しい環境にあるのが実際のところです。
未だに障がいを理由に地域の幼稚園や保育所に入園できないということがあったり、入園しても適切な保育を受けられなかったりしています。
現在の統合保育は十分に確立したものではないのです。
統合保育が浸透していくのが難しい理由として、保育士の加配と専門知識をもつ職員の配置が必要なことが大きいでしょう。
常に人材不足である保育施設の現状では、障がい児を受け入れるための環境を整えることが難しいことも影響しています。

統合保育のメリット

統合保育はさまざまなメリットやデメリットがあります。
保育を受ける障がい児や健常児はもちろん、保育士にとってもその影響は大きいでしょう。
まず子どもたちは小さな頃からさまざまな障がいを持つ子と関わることで障がいに対しての理解を深めることができます。
差別意識や助け合うことの大切さを実体験として学んでいくのです。
障がいを持つ子も専門の支援施設に行くより、たくさんの同年代の子や家族以外の大人とかかわることで社会性が身につくでしょう。
また、健常者だけでなく同じ障がいを持つ子からも影響を受け、心身共に大きな影響を受けますし、障がいの改善が見られた例もあります。
子どもたちだけでなく、障がいを持つ子の保護者もつきっきりの子育てから他者の助けを得られ、不安や疎外感が軽くなるでしょう。
保育施設に預ける時間、保護者が社会復帰するきっかけにもなります。
障がい者が生活しやすい社会を築き上げる方向へ向かう社会にとって、統合保育は重要なメリットを果たすことができるのです。

統合保育のデメリット

メリットがあればデメリットも存在します。
保育士のキャパシティや障がい、病気に対する知識や経験がない場合の影響です。
健常児、障がい児どちらへも目を向け、適切な働きかけが必要になるため、保育士の負担は大きくなります。
保育士の目がどうしても手が必要になる障がい児へ向けられることが多くなると、健常児への保育の質が下がる可能性があるのです。
その時に障がい児が孤立してしまったり、健常児からの嫌がらせやいじめにあいやすかったりということもあります。
キャリアアップ研修などで障がい児への理解や知識、経験を得て改善する余地はありますが、まだ、統合保育が浸透し切れていないため難しいところです。
園の受け入れ体制と関係機関の連携を深め、入園前や成長が進むにつれての話し合いや理解も必要になります。
園の方針や保育士・幼稚園教諭の先導は重要な要素です。通常の園生活で保護者をはじめ障がいを持つ子、健常児どちらも気持ちよく過ごせなければいけません。
入園に関して障がいがあることから入園を断れるのは、現在の保育実施基準の点数で判断していることもあります。
障がい児の保護者が健常児の保護者と同じ土俵で保育入園点数審査をパスできるからは現実的に難しいでしょう。

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